今回は軸打ち・ダボ等組み立てに関する作業を。
軸打ちし始めたらなるべく他の作業は挟みたくないので、全パーツ軸打ちできる状態か確認するところから始めます。
今回はそうではなかったので、ダボを作り直すところから。
いきなりですが若干余談。
ロックマンゼロのメインキャラクターの多くに感じることですが、頭の大きさに対して体幹は華奢めな印象を受けます。ヘルメットだったり何かしら被っているからでしょうか?
その上レヴィアタンは頭部に顔+ヘルメット+前髪(?)+ポニテ(?)+大き目のバーニア(?)×2がついています。
つまり組みあがった時に首や体幹に重さの負担が大きくかかることが予測できます。軸打ちは深めに、ダボはしっかり固定したいですね。
話を戻します。ダボ直しは量産の問題かなにかで凹ダボが埋まってしまっている場合やそもそもダボがない部分にダボをつけたい時にも使えます。
ダボがない場合は凸側を決め、角プラ棒を固定しておきます。今回は全パーツその点問題なかったのでスルー。
気にしすぎでは?と自分で思う時もありますが、塗装が終わってから破損→パーツが汚れる可能性がある作業をすると失敗した時モチベーションがアスタラビスタしてしまうので。
ここからダボ直しの作業手順。
①凸ダボを面出し用のヤスリで整える
②凹ダボを凸ダボより広めにピンバイス等で掘る。※わかりやすくするために「凹」「凸」をいちいちつけています
ピンバイス等で掘る時以前はピンバイスとナイフのみでいい加減に掘ってデコボコが激しいままにしていました。この後の作業で凹側にパテを充填させるのですが、デコボコが激しいままだと脆くなりがちです(この部分に軸打ちしようとして穴を空けるとガタつく)。なので、それが少なくなるよう出来れば丁寧に。今は小さめの平刃彫刻刀、というかゴッドハンドのスピンブレードで凹側もある程度整えています。
③凹ダボと凸ダボが問題なく噛み合うか確認する。なにかに引っかかる時はそれがなくなるまで掘る。
この時、当然ですが噛み合わせた時スカスカでも大丈夫です。引っかかりさえしなければOK。
④エポパテにアクリル溶剤を多少混ぜ、凹ダボに7、8割底の方から詰める。
エポパテを底から詰めるのは、②の理由と同じでパテを充填させるためです。アクリル溶剤で濡らすのは、これによって混ぜたエポパテが軟化するためです。硬いままだと⑤の時に底の方で詰まってしまい、うまく凹ダボが作れない場合があります。注意点として、溶剤を混ぜすぎないことと、軟化はするのですが恐らくエポパテの硬化時間が伸びる訳ではないことを把握しておきます。
⑤凸ダボにリップクリームを塗り、凹ダボに差し込む。パテがはみ出ても奥まで押し込む。直後にゆっくり引き抜く。
リップクリームについて。エポパテを指以外で触るとベタついて扱いに困るので、皮脂の代わり?に付着させます。今は100円ショップのものを使っていますが、多くの方がメンタムを推しているようなのでそっちの方がいいのかも? また、直後に抜くより半分硬化した程度で抜いた方がいいみたいですが、うっかり忘れると悲惨な目に合うのですぐ行います。
⑥パテの硬化後、周辺を削って整える。パーツ同士が上手くかみ合わなければ微調整を繰り返す。
ダボ直しの工程は以上。
直しを行った部分はこうなりました
ダボの作り直しやグラつきを全て直し終えたら、軸打ちをしていきます。
私は最初に知った軸打ちの方法でずっとやってきています。が、そこで紹介されているマテリアルが手に入りにくかったり生産終了していたりします。そこの補足と自己流を加え書き残していきます。
今回は胸部パーツと胴体・下腹部が一体になったパーツの軸打ちをここに書いていきます。
軸打ちに使う道具は
・鉛筆
・ピンバイス
・金属用ニッパー
・直線のアルミ線
・ガイアノーツ 瞬着カラーパテ ホワイト
・タミヤ 硬化促進剤(瞬間接着剤用)
です!以下補足。
・シャーペンではなく鉛筆を使うのは、芯の柔らかさの問題。柔らかければシャーペンでも大丈夫だと思います。
・金属用ニッパーは100均のものでOK。現に何年前に買ったか分からない手入れを一切していない錆びたものを使っています。
・軸打ちによく使われる真鍮線を使わないのは方法に関わってくるためです。真鍮線等の固めな金属線を使うと上手くいきません。また、巻かれているアルミ線を使うと強度が落ちるため直線で売られているものを選びます。巻かれているアルミ線を直線に直す技術・知識が無いとも言う。
・瞬着カラーパテはシアノンと似たようなものらしいです。シアノン触ったことないので・・・。ヨドコムで買えるかどうかでこちらを採用しています。
・硬化促進剤は液体タイプのものを使います。参考にした元サイトで紹介されていたものは生産終了している?ようなのでこれを。フタの裏に筆がついてる地味に助かるやつ。
・大き目のパーツは1.5mmのアルミ線で、小さ目なら1mmのアルミ線を軸にします。1mmも無理そうなら瞬着なりひっつき虫で固定。
・鉛筆、ニッパー以外のツール・マテリアルは全てヨドコムで買える!ここ重要(2019年8月現在)
以下、軸打ちの作業手順。今回は1.5mmの軸を打つものとして書いていきます。
①軸を残したい側、軸を残したくない側に鉛筆で対角線を引く。中心を0.5mmのピンバイスで穴を掘り、1mmのピンバイスで再度掘る。
対角線は一応こんな具合で。バランス感覚があまりない私のような人間は、割と頼りになるかと思います。0.5mmがなければ1mmからでも大丈夫です。
ピンバイスで多少径が太い穴を掘る時は細い径から徐々に広げていく、というのが常識みたいです。昔は面倒くさがっていきなり2mmで掘ったりしていたのですが、これがかなりズレやすく、かえって余計に面倒な事になります。大事の前の小事。
②続けて軸を残したい側、軸を残したくない側両方に1.5mmで掘り、軸を残したい方のみ2mmのピンバイスで掘る。
③軸を残したくない方(=今回は1.5mmで掘った方)に長さを調整した1.5mmのアルミ線を入れ、パーツ同士を一旦はめる。問題なく噛み合えば次の作業に、噛み合わなければ調整。
④アルミ線を入れたまま、見えている部分を金属用ニッパーで軽く噛み、全体に浅い傷をつける。
後の作業でアルミ線は瞬着の塊に突っ込んで固定します。その時固定する力を強くする為・瞬着の食いつきを良くする為に傷を入れます。強く噛みすぎて切ってしまわないよう注意。この時100円の金属用ニッパーを使えば事故は減るはず。
⑤軸を残したい方の穴に瞬着を充填させる。軸を残したくない側のアルミ線をはめたまま硬化促進剤をアルミ線に塗る。
瞬着を充填させる時は必ず底から充填させます。瞬着カラーパテは粘度のある瞬着なので、いい加減に入れると十分に充填されず気泡が出来る→アルミ線を固定する瞬着が少なくなる→固定する力が弱くなる→失敗。という形になります。底が深い時は瞬着ノズルを使ってでもこれを徹底します。ダボ直しの時のパテを充填させる時と同じ考え方ですね。
⑥アルミ線がある側(=軸を残したくない側)を上に、アルミ線が無い側(=軸を残したい側)を下にして向きに注意しながらはめ合わせる。
軸を残したくない側に瞬着が充填されているので、念のため(1敗)。充填されている方を上にしてしまった時はゆっくり垂れてきました。
⑦奥まで押し込み、10秒ほど経ったら引き抜く。アルミ線が無い側にアルミ線が移動していれば完成。軸を残したくない側にアルミ線が残ったままだと失敗、アルミ線を新しいものに換えてやり直す。
10秒は感覚です。この時、ピンバイスで両パーツに空けた穴が若干ズレていても多少アルミ線が曲がりながらも引き抜ける上軸として機能してくれます。ここがアルミ線を使う最大のメリットだと考えています。真鍮線は硬くてこれが難しいかと思われます。
軸打ちの工程は以上。
うまくいけばこうなります。
分かりづらいですがアルミ線は6mm程度出ています。ちょっと長めですがここも強度を出したかったので。
強度の話を何度も出しているのですが、それなら真鍮線を使った方がいいのでは?と思う方がいるかと思います。私の持論だと、
①そこまで硬くなくても経験上大丈夫
②軸穴が軸の径とジャストの大きさである方が強度(グラつき)がしっかりしている
ので、アルミ線を採用しています。
①はそのままの意味です。アルミ線からパーツがちぎれた!といった経験がないとしか。不安なパーツorキットに手を付ける時は軸を二つつけるなり軸打ちした上で瞬着を使うなりかな?
②真鍮線を軸にして両側を掘るだけで軸打ちをしようとした場合、位置・角度を100%に近い精度で合わせないと上手くいかないと思われます。ダボ直しと同じ方法を使えば修正は出来ますが、アルミ線を使う今回の方法は瞬着との食いつきも意識しているので軸がすっぽ抜ける心配が少ない・・・はずです。
軸打ち工程⑦の引き抜く時に、軸穴が多少ズレていてもアルミ線が若干曲がりつつ引き抜くことができます。真鍮線は硬くて恐らくこれは出来ません。
軸打ちせずに接着してしまえばこの記事に書いてある作業全て行わなくていいのですが、持ち運びが難しくなったり塗装が終わった後のパーツに接着剤が流れるとこれもモチベーションがアスタラビスタ案件なので。
ネオジム磁石でパーツ接続する方法もありますが、強度を出したい場合には向いてないと思います。試してみた経験はないのでなんとも言えませんが。
レジンやパテだけでダボを固定するとどちらも脆い素材なので折れてしまうこともしばしば。業者抜きキットのダボでもそれだけでは固定し辛いものもあるのでなるべく軸打ちはやっておきます。
軸がパーツに付いていれば塗装用持ち手が簡単につけられますし。この点は個人的にメリットとして大きいです。
こんなところでしょうか。全パーツにこういった作業・確認を行ってようやく仮組が終わります。ニッパーだけで組めるプラモデルって凄い。
パーツが揃い、仮組が終わったレヴィアタンがこちら。
右手は手首と接着するつもりなので撮影は出来ませんでした。
それ以外のパーツは支え無しで組まれているのが分かると思います。
強度の問題も無さそうなことが確認出来たので、これでようやく塗装に入れる!
と、なるのが大抵の場合ですが、今回はその間に別の作業を挟みます。
キットを買ったりこの写真を見た方なら分かるかと思います。このキット、自立できません。
キット内容に原作絵を再現したであろうレヴィアタンが腰かけているクラゲ型メカニロイド(?)の上部が付属しているのですが、これをそのまま使うと足がつっかえてしまいます。
パテやプラ板を使って延長させれば・・・と考えたのですが、せっかくブログに細かく制作過程を書き残しているので、台座は自作しようと思います。
ということで次回は台座制作を。初めての経験なので至らぬ点はますます増えると思いますが・・・
今回は以上です。ありがとうございました。